御成玄関
本堂の南西端に接続する、天皇、皇族、藩主専用の玄関で、折れ曲がったその形状から「乙字型玄関」とも称されます。
入母屋造、本瓦葺の禅宗様建築で、内部の床は、縁に対して目地が45度になるように石を敷く、四半敷きという工法が採用されています。
七宝輪違いを装飾した火頭窓や欄間など木部は素木造を主としますが、要所の彫刻には金箔を押してあるのが特徴です。
明治29年(1896)に来松した島崎藤村は、桟唐戸上部の欄間彫刻「葡萄に栗鼠」を見て心を揺さぶられたことが、処女詩集『若菜集』に収録されています。